新橋人形の館 館主の日記

燃えサントラ&泣きロック酒場 BAR 新橋人形の館 館主の日記です。

「MARTYRS」は仏語で殉教、「怪談」は英語で「KWAIDAN」


 監禁、皮剥ぎフレンチ・スプラッターマーターズで脚光を浴びた、フランスの映画監督パスカル・ロジェ
 一番好きな日本映画は、小林正樹監督の映画『怪談』だそうだ。
 館主が初めて観た小林監督の映画は、橋本忍脚本による切腹という映画で、「ほほぅ~よいではないか、
 ではもう一発小林監督イッてみっか」、ということで名作と名高い小泉八雲原作の『怪談』の北米盤Blu-ray、
 『KWAIDAN』を続けて観たのは、つい最近のこと。

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           小林正樹監督 1962年 『切腹』、       1965年 『怪談』

 ロジェ監督のマーターズを観たのは5、6年前で、「スゲエ、流石ヌーヴェルヴァーグの国フランス、何でも
 許されるんだな」、と、フランス人の超クソ高いプライドがここまで大胆えげつ極まりない映像を「撮ってヨシ!」
 とさせたのだろうか、とショックというよりは感心してしまった。

 そして冷静になってから、”ここまでする意味”について考えた。

 この映画の少女拷問の目的は、拷問によって少女が”殉教の域”に達した時、少女の目に映ったものは何か、
 少女がその時何を見たか、を聞き出すことである。
 MARTYRS(フランス語で殉教、ギリシャ語で証人)となった、見るに堪えない屍となった若き少女の”証言”を
 聞きに集まるのは、裕福そうな白髪頭の老人たちだ。

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 彼らはこの”殉教者”の証言に何を期待しているのか。
 「死に際の苦しみ」を越えれば、お花畑が広がる天国がある、とでも言って欲しいのか。
 文字どおり、往生際が悪い、悪すぎる!、とっとと勝手に死ねばいい奴らである。

       ジャケ詐欺 → イメージ 5     イメージ 6 ← 本家にのみ登場

 2015年にアメリカでリメイクされ、今年3月にDVDが発売されたが、思わずジャケ買いしてしまいそうな
 このショッキングな裸体の女性は本家マーターズのもので、リメイク版には一切登場しないので、買う必要
 もなければ、観る必要もない。

   石を探しに散歩に出たがいまどき意外と思ったような石って転がってないもんだと感慨深い館主がいる
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