新橋人形の館 館主の日記

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大怪獣シリーズ ウルトラセブン ワイアール星人 / SFボディ・スナッチャー

   

     大怪獣シリーズ ウルトラセブン ワイアール星人

        少年リック限定版 全高約24cm

 

ウルトラセブン第2話『緑の恐怖』

 ワイアール星人(YR=葉緑素)。襲われた人間はYR化し、次々と人間を襲いYR人間になってしまう。放っておけば地球は葉緑素人間の星となるだろう。

 

   

 

あなたの旦那様も、いま振り向けば葉緑素人間になっているかもしれない!

 

   

      映画『SF/ボディ・スナッチャー

             (1979年 フィリップ・カウフマン監督)

 

 豆のサヤが睡眠中の人間に根を這わせる。すると大きく花を開き、複製人間を産みおとす。ただし、この新しい生命に心が複製されることはない。

 ある朝目覚めたら、あなたは愛も憎しみも苦しみもない、新しい自分に置き換わっているかもしれない。

 

   

 

 SF小説の古典 オラフ・ステープルドン著『スターメイカー』(1937年)には、銀河における生命(もしくはspirit)の成長に多大な影響を及ぼす「植物人類たち」が進化していく惑星の世界が描かれている。その世界では、あらゆる生物が動物であると同時に植物である。

 重力が弱まり太陽熱が激しくなると、大気の分子はたやすく宇宙へと逃げてしまう。小型惑星において進化の途上に立ちはだかる重大な問題は、生命が“人間的な”水準に達するはるか以前に大気と水がすべて失われてしまうことだ。

 惑星がゆっくりと荒廃し乾燥して多くの生命が死滅していく一方で、生物学的な仕組みを目覚ましく進化させ厳しい環境に適応できたものもあった。“人間的な”水準に達した「植物人類たち」だ。

 かれらは減少する最後の大気を液体の中に保存し、密生した根のあいだに発生した海綿状物質の巨大な束に蓄え、不透過性の膜で包んだ。光合成や生命の代謝全般はその液体だけを手段に営まれたのだった。

 そのような小さな世界の生命が、大気を完全に失ったために太陽だけが燦然とかがやく真っ黒な空に、生存と進化の根を生やしうる新たなる地を求めて自ら旅立ち、あるいは環境の限界によりやむなく放出され、はるかな宇宙の星間を翔けぬけて、この青い地球を見つけたら・・・。

 

   

 

映画『SF/ボディ・スナッチャー』の冒頭は生命の胞子の遥かなる旅立ちで始まり、

     まるで『スターメイカー』の生命たちの世界のようだ。

 

 『スターメイカー』の献本を受けたヴァージニア・ウルフが読了後「わたしがフィクションで、長いことぎこちなく手探りしながら表現しようとした考えを、あなたは掌中におさめつつあるように思われます。でも、あなたははるか先へ行ってしまわれました。羨むほかありません」と礼状を返したという。

 ステープルドンは科学に精通した哲学者であり、そのうえ男性であるから、精神病気質であり女性であるウルフは「羨むほかない」・・・。ウルフの気持ちを想像するとちょっと切ないが、ヴィジョンのちがいはあっても二人は自然の中に独特のエクスタシーを求める”幻視仲間“だと(館主が勝手に)思うし、二つの大戦のはざまで共に揺らぎながら、ウルフは「意識の流れ」で物語る独特な作風により、自由に時間を超え性別を超えて、ユーモアさえもって、勇敢に翔けぬけていたではないか、と思う。

 

 ヴァージニア・ウルフによる『オーランドー』は、七日間眠り続けてしまうたびに時代を超え性別を超えてしまっても、”オーランドー“として悠然と生きていく。300年かけて少年時代から懐に入れていじり倒した詩作を果たし、男から女になり遂には子を産み母になる。

 

   

 

 ステープルドン原作の映画『最後にして最初の人類』(2021年)ではナレーション、ウルフ原作の映画オルランド(1993年)では主演をしているティルダ・スウィントン

 

 だが、そういった類のキレイな役ばかりでなく、映画『デッド・ドント・ダイ』(2019年/ジム・ジャームッシュ監督)では、ゾンビを日本刀で退治する葬儀屋(異星人)役としても活躍してくれているので、有り難い!

 

   

 

  極地での氷層粉砕工事により、地球の自転軸がずれて死者が蘇る!

 

   

 トム・ウェイツ(世捨て人役)イギー・ポップ(ゾンビ役)と夢の競演!

  結局、この中ではキレイな役かも!(^∇^)

 

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