新橋人形の館 館主の日記

燃えサントラ&泣きロック酒場 BAR 新橋人形の館 館主の日記です。

 ウルトラQ ケムール人ゼンマイ三輪車 / 心は孤独な狩人 / エスケープ・フロム・LA

     ブルマァク ウルトラQケムール人ゼンマイ三輪車

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 その悩みは幸いにして一生抱える羽目にはならなかったが、私は思春期に「自分の生殖器の造りが、”みんなとちがう“モノだったらどうしよう」と、確かめる術もなくずっと悶々としていた。

 だから私が勝手に想像してしまうだけかもしれないが、カーソン・マッカラーズも「自分のドコソコは”みんなとちがっている“のではないか」と、“怯える夢想家”だったのではないだろうか。

 

 アメリカの女性作家カーソン・マッカラーズの『心は孤独な狩人』『結婚式のメンバー』『悲しきカフェのうた』。これらの物語には、1930年代のアメリカ南部の小さな町、その町で生活する外的・内的・人種的にハンデを背負う人々、その人々の閉塞的な暮らしぶり、繰り返される停滞した日常、その中で激しく膨らんでは萎む希望と生々とした精神的葛藤が、マッカラーズという“少女の眼”を通して描写されている。

 

 マッカラーズ自身が一人の少女として物語の中におり、家のキッチンや町のカフェで玉蜀黍パンを頬張りながら「今日は誰が何をしでかすんだろう」と、興味津々の眼で見つめている。

 そして、少女自身がその場所で居心地の悪さを覚え、疎外感でキリキリと苛立っている。

 ・・・ もっと素敵な名前に変えたい。自分にもっと素敵な名前を付けて、こんな貧しい田舎町を出て華やかな都会で暮らすのだ。そして世界中を旅しよう。そこではいつも素晴らしい仲間に囲まれていて、輝かしい才能を開花できる場所があり、自分に相応しい未来が待っているはずなのだ。・・・

 

  人は、好ましく思う相手に、自分の事を夢中になって話す。

     好ましく思う相手は、自分の話を聞いてくれる。

  では、自分に、相手は夢中になって話をしているのか?

     自分は、相手の話を聞いているのか?

  ただ、それだけなのだ。

 

 アメリカ南部の小さな町。カフェやキッチンのテーブルで、少女マッカラーズの眼は、”みんなとちがう“人々の孤独を見つめ、物語という夢想を膨らませている。

 

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       映画『悲しき酒場のバラード』

   (1992年 監督 サイモン・カロウ

        /出演 キース・キャラダイン、ヴァネッサ・レッドグレイブ)

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 マッカラーズの小説『悲しきカフェのうた』を忠実に映画化。マッカラーズが描写するアメリカ南部の町のイメージは、まさにこんな感じだ。

 どん詰まりの町で、人と歪曲した拘わりしか持てない女主人。残酷な御伽噺を平気で読めるように、「映像って酷だ、文章の方が救いがあるな」と思った。

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 『心は孤独な狩人』の映画化作品『愛すれど心さびしく』(1968年)で、説教臭い飲んだくれジェイク・ブラウントを演じるステイシー・キーチ

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 いや、待て!ステイシー・キーチはただの飲んだくれの説教オヤジで終わる男ではないぞ。

 これがステイシー・キーチの未来(設定2013年)だ!!

  『エスケープ・フロム・L.A.1996年 監督 ジョン・カーペンター

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ホログラム映像のスネイク・プリスキン(カート・ラッセル)に襲いかかるステイシー・キーチ

 

 そして、エスケープ・フロム・L.A.といえばサーフィン!!

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 ピーター・フォンダと一緒に、ビッグウェーブに乗るスネイク。

 ピーター・フォンダ、すごく楽しそう!(^^)

 

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