新橋人形の館 館主の日記

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 三輪車に乗れない ジグソウ  ヘッドノッカー / ファウスト・百物語・電人ファウスト

       三輪車に乗れない SAW ジグソウ パペット ヘッドノッカー

 映画『ソウ』SAWシリーズI〜Ⅵ  2004年〜2009年、2010年に『ソウ ザ・ファイナル』。しかしゲームは未だ終わる気配はなく、2017年『ジグソウ : ソウ レガシー』、2021年『スパイラル : ソウ オールリセット』と後継者が続々、まだまだやる気満々。

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 館内で転んで以来、三輪車に乗れなくなった首振り人形のビリー君。

   うちのビリー君は館で生き延びられずゲーム・オーバー。

 

 ヨーロッパには子供の頃から家庭でも人形劇を楽しむ習慣がある。

 プラハ生まれのヤン・シュヴァンクマイエル監督も子供時代から人形劇に親しんで育ち、まるで人形に憑依されたように熱中し、国立アカデミーで本格的に学ぶ。

 やがて、遂にあっぱれ、監督が人形に憑依して映画を撮る!

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  ヤン・シュヴァンクマイエル監督 映画『ファウスト』(1994年)

  語りべは操り人形、コマ撮り、シュールな “ファウスト的“ 物語。

 

 元々、『ファウスト』はゲーテの戯曲がオリジナルではなく、16世紀のドイツに実在した錬金術師にまつわる“噂話”の数々が民間伝承されてきたもの。

 あくまで読み物ではなく、街角で人形劇として、舞台で演劇として、上演する芝居の台本であり、ゲーテ自身も子供時代から『ファウスト』の人形劇に親しんでいる。

 シュヴァンクマイエル監督による映画『ファウスト』は、操り人形たちの異様なムードが漂って、見慣れていない日本人の私には風変わりなものに感じるが、プラハ生まれの監督が「ファウストを撮るなら舞台仕立で、人形を遣う」と着想するのは、むしろ当然の事かもしれない。

 

 ゲーテは生涯をかけて戯曲『ファウスト』を書き上げた。

 日本の漫画家 手塚治虫にとってもファウストはライフワークであり、未完の絶筆作品『ネオ・ファウスト』(1988年)を含め、生涯で三つのファウスト的物語を漫画で描いている。

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          1971年作品 『百物語』

 手塚治虫独自のファウスト的時代劇。悪魔の女の子スダマの献身的な恋心、その健気さが胸を打つ。折々の日本の風景も美しい。

 

 元来、この“ファウスト的”な民間伝承のオチは、ファウストが救われないものだったそうだ。

 老境にかかり躁うつ症、絶望した学者ファウストが悪魔と契約し、二十歳そこそこの青年に若返って勝手し放題、次元や時空を超えて満足するまで人生をやり直す。その代償として、最期にファウストの魂は悪魔に奪われ、地獄行きとなる。

 しかし、ゲーテ手塚治虫も、最期を迎えたファウストの魂を救うことを選んだ。かつて彼を愛した女性の願いによってファウストの魂は自由となり、地獄行きを免れ救われるという筋書きだ。

 

 『ファウスト』に登場する「人造人間ホムンクルスは、実験室のフラスコの中で誕生し、知的超能力のみの存在であり、自立した人間の形態をもっていない。

   だが、『電人ファウスト』はもっている!

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      漫画『電人ファウスト』 著者/上山徹郎

 

 戦闘ロボット、電人ファウスト

 人間に似せて造られているばかりでなく、表情が顔に出る“擬人性“を持つ。     

 戦闘ロボットに必要のない感情を表す擬人性が何の目的で造られたかは、まだ明かされていない。

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  限りなく人間に近い人工知能を持つ擬人美少女ロボット、エンジェル。

 エンジェルの目的は、人間の少女 留詩葉の体を借りて「人間になること」。

 ファウストの使命は、エンジェルが送り込む使徒たちから、留詩葉を守ること。

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 『電人ファウスト』は1995年に未完のままコロコロコミックでの掲載が終わった。

 しかし、きっと上山先生も『電人ファウスト』をライフワークとして描き続けてくださることだろう!

 

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 『電人ファウスト』が乗っているオートバイ型の機動ユニット「アシエル」。

  そして、「電人」「オートバイ」といえば、やはり電人ザボーガー』!!

 

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      電人ザボーガー』 漫画 / 成井紀郎

   オートバイに顔がある。初めて見た時は本当にビックリした。

   ザボーガーは、電人かつオートバイなのである!

 

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      漫画『電人アロー』 著者/ 一峰大二

 『電人アロー』は、まるで学研の教材のようだ。読むと勉強になる。

 

 昨日も電人、今日も電人、明日も電人。

 ‥‥ いったい私はなぜ、そんなに電人にこだわっているのだろうか?

 とりあえず、すべてヤン・シュヴァンクマイエルのせいにしておこう!

 

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